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佐賀玉屋(佐賀市)

第1回目は、1806年創業の老舗百貨店「佐賀玉屋(佐賀市)」です。
山口祥義佐賀県知事を聞き手に、田中丸雅夫社長が取組みなどを語りました。

経営に欠かせない女性の活躍

[山口]少子高齢化で高齢者が増え、働き手が減少している今、地域経済の活力を維持するために、女性の活躍が鍵になります。老舗百貨店の御社には多くの女性が働いていますね。

[田中丸] 弊社のお客様の90%は女性ですから、売り場経営には女性目線がとても大事です。現在、パート社員など含めた社員の約70%が女性。執行役員1人と管理職29人が女性で、役付の41%に当たります。この数字からも、会社経営に女性が欠かせない存在だと分かっていただけると思います。

[山口]女性の活躍のために、特に力を入れているところはありますか。

[田中丸] 業種柄「女性だから」「男性だから」と区別して考えたことはありません。ただ、育児休業間はまず家庭優先、「今」を大切にしてほしいと伝えています。復帰の環境が整わないようなら、育休を延長してもらっています。無理な復帰は退職者を増やすことになりますから。それは会社にとっても不利益です。男性も女性も大切な戦力ですからね。現在は、育休を取得した社員の約86%が継続して活躍してくれています。

 

第2子以降の支援を手厚く

[山口]社員が経験を積み、作り喘げた顧客とのネットワークは、地元百貨店の御社にとって財産ですから、優秀な人材が退職するのはもったいない。県庁も女性の採用が増えているので、今以上に、女性管理職が増えていくと思います。育休後子育てをしながら、能力を十分に発揮してもらえるように環境を整えていきたいですね。

[田中丸] そうですね。でも、第2子の誕生を機に退職する人が多いんです。子育てと仕事の両立の困難さに加え、給料を子ども2人分の保育料に充てることになり、何のために働いているのかの意味を見失ってしまうようです。行政には第2子以降の子どもに向けた手厚い援助をお願いします。

また、働く女性のそばに保育園や託児所を設置してほしいですね。県庁や弊社の周囲には、企業が集中していますから、その中に預ける場所を確保し、土・日曜も預かってくれるような場所ができれば、働く女性も安心だと思います。

 

男性の育児休業取得奨励金も活用

[山口]諸制度はありますが、改善をしていかなくてはいけませんね。佐賀県では、男性労働者が連続して3日以上、育児休業を取得した場合に、事業主に対して奨励金を支給しています。こういう制度をうまく利用すれば、男性も育児休業を取りやすくなるのではないでしょうか。今後、取り組んでいきたいことはありますか。

[田中丸] 今の時代は、生活シーンを彩る商品選びや見せ方など、いろんな完成を磨くことが必要です。女性にも社外研修を取り入れるなどして、優秀な人材教育に力を入れていきたいと思います。スキルアップできれば、やりがいにもつながります。人と人とのつながりも大事にしやを広げて、イキイキと働いてもらいたいですね。